LED蛍光体の解析Ⅲ:蛍光体の性能を検証するためのLED評価

LEDデバイスの評価

1.光束と発光効率

LED光束とは、単位時間あたりの光源から放出される光の量です。LED発光効率とは消費電力単位あたりのLED光束量を表しています。この2つの指標は、どちらもLED光度を示しており、LED発光性能を評価するための重要な指標ですが、使用場面に応じて、其々の重要度が違っています。例えば、高照度が必要な場合には、光束(絶対値)が重要となり、一方、高出力を求める領域では、高い発光効率が必要となります。

2.色域

色域とは、LEDデバイスが再現できる光の色の範囲です。より広い色域を有するLEDデバイスは、より多くの飽和した色を再現できます。ディスプレイフィールドを例として、初期のテレビは白黒で、色域はわずかでした。技術の進展に従って、ブラウン管テレビはNTSC色標準の72%まで表現できます。その後のLCDは色域90%に達し、そして現在、主流のLEDバックライトディスプレイが105%に達しました。最新の量子ドットディスプレイ技術は、色域値を110%以上に達成しましたが、高コスト、高毒性、低収率というデメリットがあるため、市場占有率を主導していません。そのデメリットを避けるべく、GaN青チップ+窒素酸化物(β-サイアロン)緑色蛍光体+フッ化ケイ素(KSF)赤色蛍光体という方法は、現在、量子ドット技術のレベルまで色域値を達しており、バックライト技術分野において主導地位に占めています。

3.演色評価数

演色評価数(CRI)は、サンプル光源の下で人間の目が知覚する物の色と、同じ色温度(CCT)の標準光源(日光)の下で知覚される物体の色の違いを表する量です。CRIの最大値は100として、負の値になる場合でもあります。CRIが高いほど、サンプル光源は標準光源に近い色を再現でき、より良い光品質を持っていると見なされます。

a.平均演色評価数(Ra)

平均演色評価数(Ra)は、CIE(1995)で指定された前半の8つの実験カラーチャートの平均値です。

b.特殊演色評価数

特殊演色評価数は、最後の6つの実験カラーチャートです。

上記のカラーチャートはR1〜R15に対応しています。RaはR1〜R8の平均値で、R9〜R15は特殊演色評価数です。R1〜R15の平均値はCRIと呼ばれます。LEDデバイスの場合、RaまたはCRIでデバイスから放射される光の色再現性を評価し、標準光源とどれだけ一致しているかが分かります。例えば、白色LED照明の分野では、R9で光の品質を評価する場合、R9の数値が高いほど、LEDの白色の光に強い赤が含まれているので、スペクトルの赤の部分がより飽和していると分かり、光の品質が高く思われます。

YUJILEDSは、長年の研究を経て、R12(青緑色)の部分をリン酸塩青色蛍光体で、R9(赤)の部分を窒化物(SCASN)赤蛍光体で補完し、また、450-460 nmの青色チップ(紫色光部分を含まない)で蛍光体を励起する新しいパッケージングプロセスを採用して作成したLEDは、昼光スペクトルに非常に近いスペクトルを有し、Ra(R1〜R8)およびCRI(R1〜R15)の両方とも95を超えた高演色を実現しました。また、紫色LEDチップとそのパッケージング技術の開発によって、Ra、CRI(R1〜R15)はさらに改善されます。これは、将来の市場のトレンドになり、YUJILEDSの重要な技術的な利点にもなります。

4.安定性

LED蛍光体とLEDデバイスにとって、非常に重要なのは安定性です。安定性が高いと、LEDの寿命が長くなり、実用性と適用性が向上されます。安定性は、蛍光体とデバイスの寿命だけでなく、環境による影響もあります。通常の安定性評価は、高温(200°C以上)や高湿度(90%以上)などの極端な条件下で実施します。その内、「ダブル85テスト」(85°C、湿度85%)が最も広く使用され、最も代表的な方法です。サンプル製品は、「ダブル85テスト」で1000時間を経つと、光束が初期状態の90%を超え、色座標シフトが10%未満である場合、その安定性が合格と認定されます。もしサンプル製品は、光束が95%を超え、テスト後の色座標シフトが5%未満である場合、その安定性が優れていると見なされます。

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