フロン類化合物の命名法

フロン(flon)或いはフロンガス(下記、フロン類化合物)とは、一般的に、フルオロカーボン(fluorocarbon, 炭素とフッ素を含む化合物)のことを指します(日本でのみ用いられている総称名)。20世紀に発明され、冷媒として利用はじめました。もともとDupont社が開発したフルオロカーボン製品「FREON@」に由来すると言われています。フロン類化合物は化学的に安定していて、液化しやすいという様々な特徴で、冷媒、発泡剤、洗浄剤、エチングガスなどの分野で多く利用されており、色々な特定名称を付けられています。例えば、ジクロロジフルオロメタンはCFC-12と言います。今回、これらの特定名称を覚えやすいため、命名方法を紹介します。

フロン類化合物の特定名称は、ローマ字(大文字)、-(ハイフン)、数字、ローマ字(小文字)から構成されます。

ローマ字(大)  数字 ローマ字(小)

 

1.ローマ字(大文字)

フロン類化合物の種類を表すローマ字は表1のように、略称で定められます。

2. 数字

数字の表記は炭素、水素、フッ素、塩素の数、及び炭素―炭素間の二重結合の数を特定できます。

3. ローマ字(小文字)

構造異性体(各種原子の数が同じですが、結合関係が異なる分子)などの構造を特定するため、数字の後ろに小ローマ字を付記することで、区別することができます。

例えば、炭素原子3つのオレフィンHFO-1234fyの場合、分子式CF3-CF=CH2を下記の基準で命名することができます。

  • 二重結合の数:1
  • 炭素の数:3-1=2 
  • 水素の数:2+1=3
  • フッ素の数:4
  • 真ん中の炭素に結合する原子-CF=:y
  • 二重結合を持つ炭素に結合する原子=CH2:f

4. その他

二重結合を持つオレフィンの中には、cisとtrans異性体が存在するため、

ローマ字(小文字)の後ろにそれぞれE(trans体の場合)とZ(cis体の場合)を付けます。

例えば塩素を含むオレフィンHCFO-1233zdの場合、分子式CF3-CH=CHClを下記の基準で命名することができます。

  • 二重結合の数:1
  • 炭素の数:3-1=2 
  • 水素の数:2+1=3
  • フッ素の数:3
  • 真ん中の炭素に結合する原子-CH=:z
  • 二重結合を持つ炭素に結合する原子=CHCl:d

二種類異性体があるため、CF3ーCH=CHClをHCFO-1233zd(Z)とHCFO-1233zd(E)に命名することができます。

5. 冷媒用のフロン類化合物命名は、ISO817(国際標準化機構)で定められ、Rで始まります。RはRefrigerant(冷媒)の頭文字です。因みに、アメリカ冷凍空調学会(ASHRAE)のStandard 34で定められた冷媒の番号はISO817と同様の基準で採用しています.

冷媒の単一成分の場合は一般的な命名からローマ字(大)をRに変更するだけです。例えば:CH2F2、HFC-32の場合、冷媒名はR32になります。

  • 共沸混合冷媒の場合、百の位に5をつけ、十、一の位:冷媒の組み合わせでの認定番号。例えば、R514A。その他、
  • 非共沸混合冷媒の場合、百の位に4をつけ、十、一の位:冷媒の組み合わせでの認定番号。例えば、R410A, R452B, R454B。
  • その他の有機化合物:百の位に6をつけ、十、一の位:炭素数-4。+異性体記号(小文字のアルファベット)例えば、R600a。
  • その他の無機化合物: 百の位に7をつけ、十、一の位:分子量。+異性体記号(小文字のアルファベット)例えば、R717(アンモニア、NH3):分子量17

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