「LEDの値段はなんでこんなに違う?」シリーズ3 LEDダイボンド材① [フルスペクトル LED/カスタマイズ LED/LED特注]
LED照明の普及と伴い、LED価格が安くなるのは絶対ですが、同じ製品でも価格に雲泥の差があり、なぜでしょう?銘柄のほかに使われている各部品の価格差は一番の原因です。ではいったいどれぐらいの差があるか部品別で分析していきますので、ご参考になれば幸いです。
今回はLEDダイボンド材をご紹介いたします。
LEDのキーワードとなっているLEDチップの機能を最大限に発揮させるため、ダイボンド材の役割は非常に重要であります。
ダイボンド材の役割は主に以下となります。
1、密封:空気中の湿気と埃の侵入を防止
2、保護:LEDチップとLEDリードフレームにつながるワイヤーを保護し、外界からの振動を防ぐ
3、発光効率の向上:ダイボンド材の高い屈折率を活かし、反射による発光効率への損失を避ける
ほかには蛍光体を均等に混ぜる役割を果たし、LED照明の色を豊かにする機能があります。
ダイボンド材の種類
LEDパッケージメーカーが使用しているダイボンド材はエポキシ樹脂、メチル系シリコーン、フェニル系シリコーンなどの三種類となっています。
パラメータ | エポキシ | メチルシリコーン | フェニルシリコーン |
屈折率 | 1.50〜1.52 | 1.50〜1.54 | 1.41 |
動作温度(℃) |
-40〜130
|
-50〜180
|
-60〜230 |
抗UV性 |
弱い
|
良い
|
優秀 |
水分と酸素の透過性 |
低い
|
中
|
高い |
硬度 |
高い
|
中
|
低い |
エポキシ樹脂は密閉性がよく、保護性が高く、コストが安いですが、耐熱性と耐候性が悪いため、黄変・亀裂などが発生しやすいです。品質を重視するLED製品にはもうエポキシ樹脂を使用していません。有機シリコーンはエポキシ樹脂より抗UV、放熱性と耐熱性が優れていて、出力が高いLEDに適しています。メチル系シリコーンとフェニル系シリコーンは違う製品に対し、各自の長所を発揮しています。例えば、メチル系シリコーンはフェニル系シリコーンより屈折率が高いため、発光効率を高めることができます。また、フェニル系シリコーンはメチル系シリコーンより抗UV性がいいので、紫色のLEDチップによく使用されています。