HFCs(代替フロン)とは?フロン削減目標と規制を解説ー1
フロンとは
フロンは特定の物質ではなく、正確にはフルオロカーボン類と呼ばれるフッ素と炭素の化合物の総称のことを指します。
化学的には非常に安定した物質で毒性もないことから、エアコンや冷蔵庫、製氷器などの冷却や半導体の洗浄、断熱材などに長年用いられてきました。
現在でも古い装置だと、よく利用されています。
フロンの種類
先ほども述べたようにフロンはフッ素と炭素の化合物のことを指します。
では一体どのような物質が該当するのでしょうか。
国によって基準が違うものの、日本のフロン排出抑制法では以下の3種類をフロンとして指定しています。
- CFC:クロロフルオロカーボン
- HCFC:ハイドロクロロフルオロカーボン
- HFCs:ハイドロフルオロカーボン
この中でも初期から使われてきたCFCとHCFCは特定フロン、後述するオゾン層破壊が問題となった後に使用されるようになったHFCsを代替フロンと呼ぶことがあります。
フロンによる気候変動への影響
フロンは安定した化学的性質から冷却用途を中心に事業用・家庭用問わず使われてきましたが、1980年代以降オゾン層の破壊などの原因となっているのではないかという指摘が相次ぎました。
その結果世界各国で生産や使用に関して規制されるようになり、現在では生産・消費ともに停止しています。
以下にフロンによる地球環境への2つの影響をまとめてお伝えします。
オゾン層破壊への影響
地球の表層にあるこの層は太陽光線中に含まれる有害な紫外線が地表に到達するのを防ぐ重要な役割を持っています。
しかしCFCなどの特定フロンが待機中に放出されると、太陽光の紫外線によって分解されて塩素原子ができ、オゾン層を破壊してしまいます。
こうなると地表に到達する有害な紫外線が増え、皮膚がんなどの健康被害をもたらす危険性をはらんでしまいます。
この現象が知られるようになった1980年代以降は世界的にフロンへの規制が始まるようになり、1987年にはオゾン保護のためのモントリオール条約が発行されました。
日本でもこの翌年「オゾン層保護法」が発行され、上述したCFCや HCFCを特定フロンとして指定した上で、生産・輸入に関する規制を出すようになっています。
地球温暖化への影響
またフロンは構成物質として炭素を含むために、高い温室効果を持っているのも特徴です。
その基準は代表的なGHG(温室効果ガス)である二酸化炭素を基準とすると、CFCは約10,900倍、HCFCで約1,810倍となっています。
しばしば温室効果が高いとして避難されるメタンでも二酸化炭素の約25倍であることを考えるといかに高いかがわかります。
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参考リンク:www.rechroma.co.jp
著者:西家 光一