植物栽培のLED照明について④ [植物照明/植物育成 LED]

これまで三回にわたり、LEDの要素から植物工場の照明として、その特徴を紹介してきました。今回はLEDの放熱が少ないことから通常の光源と違い、冷たい光源としての役割を紹介します。

 

LED照明技術が成熟する前に、温室が人工植物工場の主要な形態でした。温室では、外で栽培された植物よりも温度条件をよりコントロールでき、日中は透明プラスチックで日光を得ることができます。また、従来の照明を温室内に設置することにより、太陽光の不足を補い、照明時間を延長させ、植物の光周期を調節し、最終的に植物の生長と収穫量を促進することができます。

図1伝統的な温室

 

伝統的な温室では(図1)、照明は通常、植物の上にかなりの距離を置いて天井に置かれます。この場合、最小限のライトで植物の最大面積をカバーすることで、エネルギーとコストを節約することができます。しかし、欠点として光度が光補償点に到達するのに十分に高くないことがあり、その場合植物が成長できないこともあります。大規模な温室では、より多くのライトを設定することでこれを解決することができ、エリアあたりの平均光度が向上しますが、伝統的な照明は、電気エネルギーから光エネルギー変換効率が低いと寿命が短いため、照明器具が増えると設備コストや電力の消費量も増えます。さらに、エネルギー変換中、伝統的な光は、エネルギー損失だけでなく、不可視の赤外線放射による熱も発生させます。熱は蓄えられ、温室内の温度を上昇させ、植物の成長を害することがあります。また、伝統的な光の放射スペクトルからの赤外線部分を配慮するため、照明を植物から離れて配置しなければならなく、その場合、光度を上げさせたいが距離を縮めることができません。これらの特性により、伝統的な光源は温室照明として補足的な役割を果たすことが決められました。

 

光の品質に関する記事で説明したように、LEDは伝統的な光源と比べ、どのように光るかが異なります。 LEDの光学特性は、半導体材料のエネルギー帯によって決定され、スペクトルのカスタマイズ性が高く、植物成長の要件を満たすのに役立ちます。さらに、赤外線を使わずにLEDを「冷たい光源」として簡単に作ることができるため、植物の周囲の温度は、LEDが植物のすぐ近くに置かれてもあまり影響を受けません。 高いエネルギー変換効率と高いカスタマイズ性を組み合わせることで、LED照明技術は植物工場設計の可能性を幅広げます。したがって、垂直型農場、都市農場、栽培場などの新しいタイプの工場が出現し、これらは完全に外部から隔離されています。より多くの人為的要因が制御可能であり、植物の成長に関する研究が多く行われているため、農業革命はしっかりと根付き、近づいています。

 

図2未来の垂直型農場

図3栽培場

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