ガス絶縁開閉装置市場は2023年までに280億を超える

ガス絶縁開閉装置(Gas Insulated Switchgear, GISとは、発電所や変電所に設置される遮断器や断路器など、絶縁性能・消弧性能に優れたSF6ガスを収納した設備である。GISは、密閉化され汚損の影響を受けないため、信頼性が高く安全で、保守点検の省力化が可能な設備である。また従来の気中絶縁開閉装置と比較して、設置面積を約10分の1縮小することができ、経済性の向上と環境調和性など多くの優れた特徴をもつ。

MarketsandMarketsTMは、世界のガス絶縁開閉装置市場において2023年までに280億9千万米ドルの市場規模に達し、8.73%のCAGR (年平均成長率)で成長すると予測している。 2018年、ガス絶縁開閉装置の需求はアジア太平洋地域の市場が最大で、ヨーロッパが2番目となっている。 この傾向は2023年まで続くと予想される。ガス絶縁開閉装置市場の成長は、再生可能な発電の成長、送配電インフラへの投資の増加、エネルギー需要の増加、人口密集都市におけるスペース利用の制限、地域および電力アクセスの改善に向けの政府取り組みなどによって推進される。

ガス絶縁開閉装置市場は、タイプ別市場(高圧ガス絶縁開閉装置、中圧ガス絶縁開閉装置)、電圧別市場(配電電圧、サブトランスミッション、高圧送電、超高圧送電、超超高圧送電)、装置形態別市場(屋内ガス絶縁開閉装置、屋外ガス絶縁開閉装置、直線バスダクト接続/ケーブル接続)、エンドユーザー別市場(送電ユーティリティ、配電ユーティリティ、発電ユーティリティ、インフラ/交通、産業/OEM)、主要国地域別市場などを分別される。

  • 送電ユーティリティ市場は最大のシェアを保つ

送電ユーティリティは、2017年にガス絶縁開閉装置市場を支配したことから、予測期間中に2番目に高いCAGRで成長すると予測される。送電ユーティリティは、主に送電線の追加により駆動され、高圧変電所の追加にもつながる。ガス絶縁開閉装置は送電網の保護、効率的に電力輸送、および送電回路の保護と中継に重要な役割を果たす。これらのユーティリティは、送電網の拡張、改修、高電圧機器の調達を担当している。 IEA(国際エネルギー機関、International Energy Agency)の統計によると、2014年から2035年の間に、320万キロメートルの送電線の増加、約3兆1,800億米ドルが世界的に投資される。この期間に、古い送電インフラの改修のために、3兆7億米ドルの追加投資も予測される。

  • 中電圧ガス絶縁開閉装置は、市場で最も急成長している

中電圧ガス絶縁開閉装置は、2018年から2023年まで最高のCAGRで成長すると予想される。主に、スマートグリッドとスマートメータリングテクノロジーの実装による配電部門の急速な改善により、市場が牽引される。 この装置は、一次配電と二次配電に細分され、主にコアセクター、発電、インフラストラクチャ、輸送、および流通システム産業分野で使用される。

  • アジア太平洋地域はガス絶縁開閉装置の最大の市場

アジア太平洋地域は、2018年に世界のガス絶縁開閉装置市場で最大の市場シェアを占めた。これは2023年まで続くと予測されている。中国、日本、インドなどの国々は、配電網の信頼性を高めるために配電網拡張プロジェクトに投資している。特に、中国は、2016年にアジア太平洋地域の中で最大のシェアを占めており、発電および配電設備の設置能力が最も高くなっている。輸出に向けの経済型である中国は、工業化とインフラの発展に後押しされ、過去数十年で電力需要が激増した。アジア太平洋地域ではほぼすべての国が発電能力を増強している。インド、中国、インドネシアは、水力発電プロジェクトに多額の投資を行っている。日本、中国、インドも、エネルギー需要に応じて、原子力および太陽光発電に重点を置いている。これらは、再生可能なエネルギー発電を送電網に接続することにより、送電および配電部門への投資の増加に繋がり、アジア太平洋地域のガス絶縁開閉装置市場の成長を更に促進すると期待される。

ガス絶縁開閉装置は地域的に広く利用され、その市場の競争状況を深く理解するためには、各開発・製造メーカーの詳細を調べる必要である。現実では、ガス絶縁開閉装置の市場は競争が激しく、各ブランドメーカーによって支配されている。 主なブランドメーカーはABB(スイス)、Siemens(ドイツ)、Hitachi(日本)、Toshiba(日本)、Nissin Electric(日本)である。

引用ソース:https://www.marketsandmarkets.com/Market-Reports/gas-insulated-switchgear-market-234770702.html

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