業界インサイト 2026年5月号 / Vol.3

1.HFOベース冷媒混合物の性能・持続可能性評価
家庭用エアコン向けR410a代替として、環境負荷の低い三元HFO冷媒混合物14種の理論性能を比較評価した研究が発表された。EUの低GWP規制に対応するもので、蒸発温度6℃・凝縮温度40℃の条件下で分析が行われた。結果、R1234yf/RE170/R227eaの混合冷媒はR410aと比べてエクセルギー(Exergy)損失を32%削減。R1234ze(E)/R161/R227eaは全体のエネルギー効率を17%向上させた。両混合冷媒はいずれもオゾン破壊係数ゼロ・低GWPで不燃性を持ち、小型空調システムの有望な代替候補として注目される。 情報源:https://doi.org/10.1002/ep.70411
注釈:エクセルギーとは、熱力学の用語で、あるエネルギー(熱や物質など)から理論上「取り出すことができる最大の仕事量」のことです。別名「有効エネルギー」とも呼ばれます。
2.フッ素系液浸冷却液市場、2034年に3.9億ドル規模へ
フッ素系液浸冷却液の世界市場は2025年に1.44億ドル規模に達し、2034年には3.9億ドルへ拡大、年平均成長率15.7%が見込まれる。超大規模データセンターの電力密度上昇に伴う液冷需要が主な成長要因。北米が先行するが、アジア太平洋地域が最も急速な伸びを示している。また、EV電池の熱管理への応用も進んでおり、2030年までに年間8.5億ドル規模の市場機会が生まれると予測されている。
情報源:Fluorinated Immersion Cooling Fluid Market Outlook 2026-2034
3.経産省、AI・半導体戦略を改定——フィジカルAIを重点分野に
経済産業省は2025年3月、AI・半導体産業の成長戦略改定草案を公表した。ロボットや機械を自律制御する「フィジカルAI」を最重点分野に位置づけ、製造・物流・医療など幅広い分野での活用を想定。工場現場データのAI活用や半導体サプライチェーン強化など7項目の施策を掲げる。2040年には国産半導体売上40兆円、民間投資50兆円超の誘致を目標とし、2030年度までに10兆円超の公的支援を実施する方針。人材不足(2040年に339万人不足と試算)への対応も重点課題とされている。
情報源:Seizo Trend「経産省、フィジカルAIを重点分野にAI半導体・デジタル産業戦略の改定」
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