業界インサイト 2026年7月号 / Vol.6

①TFA、生殖毒性1B認定 —— 欧州農薬の8分の1に更新の壁

EUの化学品庁(ECHA)リスク評価委員会は2026年6月、超短鎖PFASであるトリフルオロ酢酸(TFA)およびその塩を生殖毒性区分1B(推定ヒト生殖毒性物質)に分類した。農薬業界はTFAの主要発生源の一つであり、影響は大きい。EU植物保護製品規則(1107/2009)の「除外基準」により、生殖毒性1B物質は原則として活性成分として承認・更新できず、分解生成物(代謝物)としてTFAを生じる既存農薬も安全性再評価の対象となる。現在EU承認農薬の約8分の1(約37種)がPFASまたはトリフルオロメチル基(-CF3)構造を持ち、フルアジナムやフルフェノクスロン、フロラスラムなど分解時にTFAを放出しやすい品種は更新承認の見通しが厳しくなる。今後の登録・更新申請では、土壌・水質条件下でのTFA生成速度と濃度を詳細に立証する環境動態データの提出が求められる見込みである。

情報源: https://www.eurovent.eu/policyupdates/echa-classifies-tfa-as-highly-hazardous/

②捨てるはずの冷媒が”資源”に —— 韓国、HFC回収を法改正無しで加速

韓国気候エネルギー環境部と韓国環境産業技術院は2026年6月、HFC冷媒管理を強化する事業を発表した。冷媒回収技術、混合廃冷媒の再生・破壊技術、低コスト代替冷媒材料への転換技術の開発を本格化する。現行20RT以上設備への回収義務を拡大し、高性能回収機器の開発で回収速度を高めるほか、回収量を韓国環境公団の監視プラットフォーム(RIMS)と連携させ、販売から使用・回収・処分までの追跡透明性を確保する。あわせて低圧高効率ヒートポンプ技術や、集合住宅でのプロパン冷媒安全利用に向けた漏洩検知・制御システムの開発にも投資する。循環経済の構築と次世代環境配慮型冷媒の導入加速を通じ、国家温室効果ガス削減目標(NDC)達成を後押しする狙い。気候部のMr.金鎮植(キム,ジンシク)・大気環境局長は、業界負担の軽減と健全な冷媒サプライチェーン構築、国際規制への対応を進める考えを示した。

情報源: https://www.afpbb.com/articles/-/3640429

③ベトナム、有毒化学品取引の刑事リスク急浮上

調査会社The Insight Partnersのレポートによると、世界の冷媒市場規模は2024年の470.4億ドルから2031年には756.2億ドルへ拡大し、2025〜2031年の年平均成長率(CAGR)は7.0%と見込まれる。政府による支援策や自動車産業の拡大が主要な成長要因とされ、2024年時点でアジア太平洋地域が最大シェアを占め、予測期間中も最も高い成長率を維持する見通し。米国市場は2025〜2031年にCAGR6.7%で成長するという。製品別ではHFCが最大セグメントを維持する一方、アンモニアがCAGR17.9%でトップの伸びを示すと予測。用途別では空調システムが最大シェアを占める。低GWP冷媒(CO2、アンモニア、炭化水素等)への関心の高まりや電動車普及に伴う冷媒需要拡大が追い風となる一方、既存設備の改修・更新に伴う技術的障壁が課題として挙げられている。

情報源:https://refindustry.com/news/market-research/insight-partners-forecasts-refrigerant-market-at-75-6-billion-by-2031

 

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