業界インサイト 2026年7月号 / Vol.5

米国、HFC冷媒の段階的廃止スケジュールを延期

米トランプ政権は5月21日、バイデン政権期に策定された冷凍・空調分野の規制を緩和する方針を発表した。EPAは「2023年技術移行規則」を改正し、HFC冷媒の使用猶予期間を延長。「2024年排出削減・回収規則」についても、大型冷凍システムへの厳格な漏洩修理義務を撤廃する方向で見直す。政府試算では、今回の規制緩和により総額24億ドルのコスト削減効果が見込まれ、うち技術移行規則の改正だけで35万人超の雇用維持と9億ドル超の負担軽減、スーパー等の冷凍分野で8億ドル超のコスト減が期待されるという。食品冷凍輸送分野でも最大15億ドルの運営費削減が見込まれる。トランプ政権は就任以来「新規制1件につき旧規制を廃止」する規制改革を推進しており、今回の措置もその一環と位置付けられる。

情報源:https://www.reach24h.com/carbon-neutrality/industry-news/greenscreen-assessment-guide

②ORCシステム用スクロール膨張機、HFE-7100を用いた熱源出力の影響を実験的に検証

有機ランキンサイクル(ORC)用の1kWスクロール膨張機について、低沸点・難燃性の水素フッ素エーテル(HFE-7100)を作動流体とした実験研究が報告された。熱源出力10〜18kWt、作動流体流量30〜60g/sの範囲で試験を実施し、発電機側は200〜2000Weの負荷を接続。同一流量・回転数条件では、熱源出力の増加に伴い発電機端子電圧および電気出力が上昇することが確認された。また、電力・電圧カーブの回転数軸に対する傾きは、熱源出力の増加とともに大きくなる傾向を示した。各熱源出力レベルには電気出力を最大化する最適負荷が存在し、熱源出力16kWt・流量60g/sの条件で最大635Wの電気出力を記録。膨張機・発電機の最適負荷は3.5〜4.8Ωの範囲にあることが分かった。

情報源:DOI 10.24425/ather.2026.158664

③Insight Partners2031年の世界冷媒市場を756億ドルと予測

調査会社The Insight Partnersのレポートによると、世界の冷媒市場規模は2024年の470.4億ドルから2031年には756.2億ドルへ拡大し、2025〜2031年の年平均成長率(CAGR)は7.0%と見込まれる。政府による支援策や自動車産業の拡大が主要な成長要因とされ、2024年時点でアジア太平洋地域が最大シェアを占め、予測期間中も最も高い成長率を維持する見通し。米国市場は2025〜2031年にCAGR6.7%で成長するという。製品別ではHFCが最大セグメントを維持する一方、アンモニアがCAGR17.9%でトップの伸びを示すと予測。用途別では空調システムが最大シェアを占める。低GWP冷媒(CO2、アンモニア、炭化水素等)への関心の高まりや電動車普及に伴う冷媒需要拡大が追い風となる一方、既存設備の改修・更新に伴う技術的障壁が課題として挙げられている。

情報源:https://refindustry.com/news/market-research/insight-partners-forecasts-refrigerant-market-at-75-6-billion-by-2031

 

 

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