業界インサイト 2026年8月号 / Vol.7

① HFE-7100 / HFE-7000非共沸 混合作動流体を用いた 浸漬式相変化冷却の 伝熱性能に関する研究

本研究では、異なる質量比の HFE-7100/HFE-7000非共沸混合物を 調製し、 浸漬式 相変化 冷却実験装置を 構築して、混合作動流体の 沸騰特性 及び 冷却性能を 検討した。 気泡の 可視化解析により 混合作動流体の 伝熱メカニズムを 明らかにし、 最終的に異なる作動流体の 総合性能を 評価する為の 総合性能評価指標を 確立した。結果として、混合作動流体Mix-3の 総合性能評価指標値が 最も高く、HFE-7100の 含有量が6.266のときに 総合性能が最良であることが示された。 純粋なHFE-7000と比較して、全ての 混合作動流体で 限界熱流束(CHF)が 向上し、その中でも Mix-3のCHFは24.18 W/cm²で、14.9% 向上した。 混合作動流体のCHF向上は、沸騰後期段階におけるHFE-7100の主導的役割、及び 成分濃度差によって ある程度引き起こされる 濃度駆動循環に起因する。 混合作動流体中のHFE-7000の割合が 増加するにつれて 冷却性能も向上し、 その中でもMix-1はCHF時の表面温度が わずか59.19℃であり、純粋なHFE-7100の表面温度より19.66℃低下した。 情報源:Study on heat transfer performance of immersion phase-change cooling based on HFE-7100/HFE-7000 zeotropic mixed working fluid – ScienceDirect

② 欧州におけるTFA生成・沈着への影響は、HFC-134aよりも HFO-1234yfの方が 大きい可能性

本研究では、対流圏化学輸送モデルSTOCHEM-CRIを用いて、代表的なHFCであるHFC-134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン、CF₃CH₂F)と、 その代表的な代替品であるHFO-1234yf(2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、CH₂=CFCF₃)の分解によって生成されるTFA量を比較した。

2023年の世界排出量の推計に基づくと、HFC-134aと比較してHFO-1234yfが 既に 欧州大気中のTFA生成・沈着において 主導的な地位を占めていると 予測される。 HFC-134aの 世界排出量がHFO-1234yfの22倍であるにも関わらず、この予測は成立する。シミュレーション結果は、世界全体で見ると、HFO-1234yfによって生成されるTFAがHFC-134aによって生成されるTFAの26% から75% に 相当することを示している。HFCsの 段階的廃止が 進むにつれて、HFO-1234yfが 世界のTFA生成及び それに伴う環境汚染に与える寄与は、今後も増加し続ける可能性がある。 情報源: https://www.afpbb.com/articles/-/3640429

③ シンガポール、高GWP冷媒禁止の対象範囲を拡大

NEA(シンガポール国家環境庁)は、商用冷凍については2027年7月から、移動式 空調については2028年7月から、GWPが150を超える冷媒の使用を禁止する措置を導入する。

NEAは2026年5月28日、新たな一連の措置を発表した。対象範囲は集中型商用冷凍システム 及び 車両用空調にまで拡大され、低GWP代替品が既に普及しているEUや日本などの市場基準と足並みを揃える形となる。

2027年7月以降、スーパーマーケットなどでよく使用される新設の冷凍システムには、GWPが150以下のより環境に優しい冷媒を使用することが義務付けられる。

2028年7月以降、新型の乗用車 及び 小型貨物車の空調についても 同様の基準を満たす必要がある。

NEAによれば、車両分野の適用開始時期がやや遅く設定されているのは、サプライヤー側に調整の猶予を与えるためであり、低GWP冷媒を採用した車種の一部が まだ広く市場に出回っていないためだという。違反した場合、最高1万シンガポールドルの罰金が科される。

今回の新規制は、サプライヤー、ユーザー、及び 回収業者との協議を経て策定されたものであり、新設設備にのみ適用される。既存システムは耐用年数を迎えるまで引き続き使用可能である。2027年7月以降、冷凍機器の解体は適切な処理手順に従って行い、NEAへの登録が 必要となる。 情報源:Singapore extends bans on high-GWP refrigerants | eJARN.com

 

以上、著作権侵害にあたる場合は、御連絡をお願いいたします。

Follow me!