業界インサイト2026年11月号 / Vol.11
市場と規制の二輪駆動:2026年世界の冷媒生産能力の分布と変化
モントリオール議定書とキガリ改正の履行が進み、高GWPのHFCは段階的に削減、低GWPのHFOへの代替が業界の主軸となっています。産業在線(ChinaIOL)の2026年年報(実生産能力ベース)によると、世界の冷媒生産能力は「中国が全品目で首位、欧米日は高付加価値・低炭素分野に注力、インドは途上国優遇期間を活かして第三世代を拡張」という階層構造です。HCFCはODSとして新規増設が禁止され、各国の基準割当に制限されており、用途も冷凍・空調から化学原料へ移りつつあります。HFCは世界の生産能力の約7割を占め、中国が8割超を握る一方、先進国は新規増設を停止し、インドは2024〜2026年に集中増設しています。HFOは技術・資本・特許の壁が高く、HFCの全面代替には時間がかかる見通しです。
情報源:産業在線
②2031年にコールドチェーン市場は4,550億ドルへ
MarketsandMarketsによると、世界のコールドチェーン市場は2026年の2,765億ドルから2031年に4,550億ドルへ拡大する見通しで、年平均成長率は10.5%です。医療、飲食品、化学分野での温度管理物流の需要拡大が背景にあり、冷凍・冷蔵、温度追跡、モニタリング技術が物流の効率と安全性を支えています。タイプ別では冷蔵輸送が最大シェアで、年平均成長率は10.7%、輸送手段別では小型商用車(LCV)が11.5%と最も高い伸びを示す見込みです。冷蔵倉庫・インフラではIoT監視や省エネ型設備が技術の主流です。地域別では、2025年にアジア太平洋が66.2%を占め、欧州も規制と需要を背景に大きなシェアを持っています。
情報源:Cold Chain Market Projected to Reach $455.0 Billion by 2031 – Refindustry
③Arizton予測:世界のHVAC市場は2031年に2,922億ドルへ
Arizton Advisory & Intelligenceによると、世界のHVAC市場は2031年までに2,922億ドルに達する見通しです。住宅・非住宅建築の新築、設備更新、改修が成長を牽引し、中国、インド、欧州各国などのインフラ・不動産プロジェクトが需要を押し上げています。AIも投資の焦点で、ジョンソンコントロールズは2026年にNantum AIを買収し、OpenBlueプラットフォームに統合しました。業界再編も続き、サムスン電子がFlaktGroupを約17億ドルで、ボッシュがジョンソンコントロールズの住宅・小型商業用HVAC事業を約80億ドルで買収しました。欧州市場は2031年に586.7億ドルへ拡大する見通しで、ドイツの暖房法やEUの「改修の波」戦略が需要を支えています。
情報源:Arizton forecasts global HVAC market at USD 292.20 billion by 2031 – Refindustry
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