LED COB ヒートシンクを選択する方法[フルスペクトル LED/LED COB]

LED COB  ヒートシンクを選択する方法

 


 

LED照明にとって、なぜヒートシンクが大切であるか。

 

LED(英語のLighting Emitting Diode)は、電気エネルギーを光に変換できる半導体部品である。しかし、パワー伝達のプロセスでは、発光とは別に、多くの電力が熱エネルギーに変換されて熱を発生する。

一般に、現在のLED製造技術に基づいて、80-90 Raの演色性を有するLEDの有効性は約30%〜40%になれる。 換言すれば、30%〜40%の電力しか光に変換されず、残りの60%〜70%が熱に変換される。しかし、超高演色性を実現したLED製品にとって、例えばYUJI LEDSの高演色LED(Ra 95-98)は違う。このような高演色LEDの有効率は約20%(BCシリーズ100W LED)で、残りの80%の電力は熱に変換される。

このような高レベルの熱を放出すると、LEDは効果的な冷却システムなしで過熱により損傷される。技術的には、PN接合(Tj)の過熱はルーメンの出力減衰を引き起こし、LEDのダメージさえも引き起こす。今度は9W型のLED COB(YJ-VTC-135L-COB9W)を例として説明する。この製品の「ケース温度とルーメン出力の変化」は図1の曲線で示されている。

 

図1-YJ-VTC-135L-COB9Wのケース温度とルーメン出力の変化

 

 

グラフからわかるように、Tcが上昇すると、ルーメン出力はいくらか減衰する。この温度が105℃に達すると、すなわち* Tjの温度が125℃(Tj ≈ 1.2*Tc)を超えると、LEDのルーメン出力が悪くなる。工業規格によれば、この減衰が30%に達すると、LEDは不良品として認識される。

したがって、LEDの性能を保護するために、良好な熱管理が必要である。

 

そのために、LED COBのヒートシンクを選択するにはどうすればいいか?

 

既存のライトの設計時に、良いヒートシンクとのマッチングは決して容易なことではない。 LEDのメーカーが具体的な仕様を開示していない場合、自分で熱計算をし、ヒートシンクを選択しなければならない。

適切なヒートシンクに合わせるために、重要なステップは熱計算である。ヒートシンクを選ぶ前に、必要なLEDヒートシンクの熱抵抗―「*Rthの計算が必要である。本文では、計算の方法と適切なヒートシンクを見つける方法を紹介したいと思う。

まず、熱がどのようにLEDの内部から空気に伝わるかを説明させて頂く。

図2-LED COBの断面積線図

 

図2からわかるように、LEDの熱伝導は以下の通りになっている。

1、熱は、LEDダイの内部のPN接合部から発生し、

2、そして、LEDダイからLED COBのケースに、

3、ケースから熱伝導材料に、

4.熱伝導材料からヒートシンクに、

5.ヒートシンクから空気に伝わる。

上記を理解できれば、熱計算と選択を行うことができる。 この手順は次のとおりである。

ステップ1:散逸パワーの算出:*Pd

ステップ2:周囲温度を計算する:*TA

ステップ3:理想的なケース温度の決定:*Tc

ステップ4:良好な熱抵抗を持つ熱伝導材料を選択する: *Rth.TIM

ステップ5:ヒートシンクに必要な熱抵抗を計算する:* Rth

ステップ6:品質の高いブランド品のヒートシンクを選択して購入する。

 

本文では、9W型のLED COB (YJ-VTC-135L-COB9W)を例として優れたヒートシンクをマッチする方法を紹介する。 図3は試験成績書である。



図3 YJ-VTC-135L-COB9Wの試験成績書

 

 ステップ1散逸パワーの算出:*Pd

散逸パワー、すなわち熱出力は、電気エネルギーから熱形態へのエネルギー変化のレベルの測定値である。 LED COBが点灯すると、光と熱を放出する。 一般に、パワーが光になる過程が「光ワット」と呼び、パワーが熱になる過程が「熱ワット」と呼ぶ。

図3の試験報告書に示されているように、光ワットの数はFe:3553mW = 3.55Wであり、総電力はPe = If*Vf = 15*600 ≈ 9000 mWである。

 


 

 

したがって、推定では、3.55Wの電力が光に変化し、残りの5.45Wが熱になる。熱になる5.45Wの電力は散逸パワー(Pd)とも言え、適切な冷却器によって放熱されるべきである。 換言すれば、この9W型のLED COBの能率は約40%である。公式は次のようになる。

Pd = Fe*(1-Eff) = 9*(100%-39.5%) ≈ 5.45W

LEDの散逸パワーを知るために、少なくともそのLEDの能率を製造元から入手すべきである。

 

 

ステップ2:周囲温度を計算する:*TA

この手順は簡単である。 普通はLED製造業者のデータシートからTAの数を得ることができる。 LEDデータシートのTAの典型的な数は25℃である。

 

ステップ3:理想的なケース温度の決定:*Tc

ケース温度の限界値も、データシートから見つけることができる。

 

図4– YUJILEDS™ BC 135L COBパラメター制限

 

 

次に、85°Cより低い作業ケース温度が簡単に定義される。例えば、作業中のLED COBの最適温度は60°Cとしよう。

 

ステップ4:良好な熱抵抗を持つ熱伝導材料を選択する:*Rth.TIM

熱伝導材料の選択は非常に重要である。それは冷却システム全体の作業性能に影響を与える。 簡単な選択のため、0.1〜0.2℃/ Wのような優れる熱抵抗性能を備えた良好な材料をお勧めする。今度、Rth.TIM = 0.2°C/Wの熱伝導材料を選択しよう。

 

ステップ5:ヒートシンクの必要な熱抵抗を計算する:*Rth

* Pd、* TA、* TC、* Rth.TIM、* Dtの数値結果が得られたら、今度は優れたヒートシンクの熱抵抗を計算できる。 公式は次のとおりである。

Rth = dT/Pd-Rth.TIM = (50-25)/5.45-0.2 = 4.38°C/W

Rthの値が低いほど、その性能は向上する。

 

ステップ6:品質の高いブランド品のヒートシンクを選択して購入する

推奨するヒートシンクのブランドは以下の通りである:

a、 MechaTronix:https://www.led-heatsink.com

b、 MingFa:https://www.mingfatech.com

c、 Cooliance:http://www.cooliance.com/

 

*Pd:接合部で放散され、LEDモジュールを通って伝導する熱である。

*Tj:デバイスの接合部の温度である。

*Tc:ケース温度である。

*dT:この温度になったら、ヒートシンクが基板に取り付ける。

*TA:周辺気温である。

*Rth.TIM:ケースとヒートシンク間の熱抵抗(TIM抵抗)である。

*Rth:熱抵抗である。

Follow me!