ANSI基準と撮影照明の色度ビンの比較 その①[フルスペクトル LED]

ご存じのように、太陽光は朝から晩までの色味が大きく変わります。太陽の移動位置に応じて、太陽の色は赤、オレンジ、黄色、そして白に変わります。 太陽光の色変化は、1日の光の屈折と反射の差によって引き起こされます。

物理学では、この白色光の変化は色温度によって説明され、朝と夕方、自然光は赤味で色温度は低いですが、正午の自然光は青っぽい白であり、色温度は高いです。

色温度は、白色光の色を表す単位です。理論的には、色温度は黒体が絶対零度(-273℃)から加熱された後に現れる色を指します。その色が赤、黄、白、最後に青に徐々に変わります。黒体の放射光色はその瞬間の温度によって特徴付けられ、単位は “K”(ケルビン)です。他の光源が放射した光がある温度で黒体が放射した光のスペクトルと同じである場合、光源の色温度は黒体の温度によって定義されます。たとえば、100 Wの電球が発する光色は、2527 Kの黒体の色と同じであるため、この電球が発する光の色温度は2527 Kになります。

 

蛍光灯、LEDランプなどのような人工光源は熱放射されない。人工光源の放射色は、各温度で黒体の放射色と完全に一致しないため、「相関色温度」の概念が導入されました。光源色と最も近い色に見える黒体放射の温度はこの光源の相関色温度として表示されます。

LEDは、省エネ、環境保護、長寿命、コンパクトなど様々な特長があります。近年、従来の照明器具、電球と蛍光灯などがLEDに取り替える傾向があります。また、屋内照明、信号灯、表示灯、車両灯、ディスプレイスクリーン、広告スクリーン、屋外巨大スクリーンおよび他の発光装置において広く使用されており、21世紀の省エネと環境にやさしい固体照明SSL(Solid State Lighting)分野における、次世代グリーンエネルギー発光装置として称賛されています。照明分野では、LEDが各色温度の白色光を得るため、様々な蛍光体を配合し、設計されます。 ただし、LED照明に対し、違和感を覚えることがありますね。その理由の1つとして、光源の色座標がプランク軌跡(または黒体軌跡)から大きく外れ、色が変わったわけです。 そして、(Δuv)は相関色温度が黒体軌跡からの偏差を表す指数です。

 

光源の色が良いか、悪いかを目で判断しにくいですが、照明に使用される光源の色は例外です。光の色を評価するには、色の偏差値(色ずれ、色のバラツキ)と呼ばれる±Δuvを使います。色ずれが小さければ小さいほど、照明色は良くなり、Δuv=0が最良です。気象学的な要因により、CIEが自然光の平均値+Δuv0.001の数値は昼光として定義したため、4000Kを超える色温度は+Δuv0.001が必要となります。

 

色度図に黒体軌跡が記載されています。そして、黒体軌跡上の各スポットの色温度が異なります。この光源の色座標が黒体軌跡に対するずれは、図1に示すようにΔuvで表示され、上方のずれは+Δuvで表され、下方のずれは−Δuvで表されます。色温度が6504 Kの場合標準があります。色温度が高くなるにつれて、光源の色は白→ライトブルー→ブルー(6500 K〜15000 K)と徐々に変化します。これに対し、白→淡黄→橙→赤橙→赤(6500K〜1800K)の間で、色が徐々に変化します。一般に、Δuvがプラスに増加すると緑みになり、Δuvがマイナスに増加するとマゼンタに変わります。


 図1.
CIE定義した白色光域

 

理解しやすいように、2種類の白色光源を選択して、6500Kの昼白色と3200Kの温白色を図2のように比較しました。

図2. 色偏差により色表現の比較

 

赤、緑および青の蛍光体の含有量比率により、同じ時期で製造したLEDでも色のバラツキは製造中に必ず生じます。一般的には光色の一貫性の基準を決めるため色の許容範囲を使います。色の許容範囲が小さいほど、色の一貫性が高くなります。

 

異なる色温度の光源を評価する場合、参照用の標準光源も異なります(通常、検出装置は標準光源を自動的に決定します)。 照明業界では、人間の目は異なる色温度に対して感覚も変わるため、色温度に応じて色許容範囲が変わります。同じ色温度の光源の色偏差に対して、色座標も異なります。

 

SDCM(Standard Deviation Color Matching)は等色標準偏差、マクアダム楕円として一般的に知られます。通常、5〜7 SDCMの範囲は人の目で観察できます。(図3)。

図3. 5SDCM-7SDCMの色偏差範囲は人の目より識別できる

 

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